君と2人、屋上で、抜けるような青い色を見ていた。
少し早いセミの声と、先生の授業をする声が遠く聞こえる。
さっき配られたばかりのプリントで、紙ひこうきを作る。
君のはどこまでも行くのに、僕のはすぐに落ちてしまった。
「へたくそ」
わかってる。
僕の作りかけのひこうきを奪って笑う。
そっと、2人のひこうきを重ねて、胸から外したばかりのスカーフで包む。
「合体」
少しいやらしいことを考えてしまった。不覚。
「あ、今、変なこと考えたでしょ」
違う、と答える前に、
君は空へ飛んだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿