20110706

■星の数

何をやってもだめな上司が、首を切られる。
文字通り。明日の午後丁度。
濁った噴水の広場、高台の古いギロチン。

本人はそれを、
始めて王様が私に命令をしてくれた!
と、とても嬉しそうに笑った。

最後の晩餐に呼ばれ、
同僚3人と彼のお気に入りのレストランへ。
隣の席ではそっくりな母娘が
山盛りのエビを剥きながら、もくもくと口へ運ぶ。
彼はやっぱり嬉しそうに、
明日の自分の勇姿を想像し、
饒舌に身振り手振り、私達に聞かせてみせる。
同僚は話を合わせて笑い、頷く。
私にはどうしてもそれができなくて、
震える唇を誤摩化すために煙草を吸い続けた。

帰り道、みんながバラバラに帰っていく中、
背の低い後輩が、やたらと狭い天井で
何度も頭をぶつけていた。
痛い、あれ? 痛い、あれ?
私は5回に1度くらいの割合で、
小さな窓から星を数えながら、だいじょうぶ?と呟いた。

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