おひげの長い王様と横に並んで、
見たことのないような色の食事。
お互い同じ方向を向いて。
相手のジャマにならない様に少しあいだを空けて。
めがねをかけた灰色のスーツの人が、
転がり込むように部屋に入ってきて、
王様とわたしに媚諂う。
それで、あの、その、えへへ、
物欲しそうな目。
王様にひそひそ話で教えてもらって、
熱湯に浸かったひたひたのパンを
30cmの長いお箸で、めがねの顔に向かって投げつけた。
あちっ、あはっ、あ、ありがとうございま、う、うまひ!
熱くてまっかになった顔。
曇っためがねにはパンのかけら。
嬉しそうに貪り食う、薬指には指輪。
それを王様に告げ口して、
目の前のひたひたのパンを食べる。
ちくしょう。
やっぱりまずいぜ。
20110330
20110325
20110322
20110318
□ばんそうこう
まっくらだ。
何も見えない。
大きな流れ星が流れた。
それだって、君には届かない。
うっとおしいくらい、嘘をつこう。
流れ星が流れたよ。
紫の煙は何も教えてくれないし。
それでもやっぱり君が好きだし。
さらさらの前髪を掻き分けて、
瞳にピンク色のばんそうこうを貼ってあげる。
これは恋である。
これは、恋である。
何も見えない。
大きな流れ星が流れた。
それだって、君には届かない。
うっとおしいくらい、嘘をつこう。
流れ星が流れたよ。
紫の煙は何も教えてくれないし。
それでもやっぱり君が好きだし。
さらさらの前髪を掻き分けて、
瞳にピンク色のばんそうこうを貼ってあげる。
これは恋である。
これは、恋である。
20110315
■声帯
ばらばらになって漂っている。
ひとりぼっち。
薄い赤と黄緑と群青色と金色。薄いクリームのセカイ。
さみしくて叫んでも声が出ない。
声帯は左手の後ろにいる。
なら、しかたない。
甘い匂いがするけど、鼻は下のほうにいる。
睫毛が眼球の前を横切った。
ひとりぼっち。
薄い赤と黄緑と群青色と金色。薄いクリームのセカイ。
さみしくて叫んでも声が出ない。
声帯は左手の後ろにいる。
なら、しかたない。
甘い匂いがするけど、鼻は下のほうにいる。
睫毛が眼球の前を横切った。
20110307
■ネックレス
白いさらさらの地面を歩いてる。
少し風が吹いてて、地面がが巻き上がる。
空気まで白くぼんやりとしていた。
あ、右足が地面に埋もれて沈み始めてる。
抜こうとしたら抜けなくて、かわりに左足も沈んでいく。
動くからだめなんじゃないかと、じっとしてみるけど、
少し動いてるらしくて、結局ずぶずぶ沈んでく。
あぁ、これはもう終わりだな。死ぬな。
もう鎖骨まで沈んでる。
あきらめたら地面が震えて、結局ずるりと助かった。
きっと吐き出された。
服は粉まみれで真っ白だ。
お気に入りの服だったのに。
でも悪くない。
さらさらの地面の中に、
たまに小さな固まりがあるのを見つけて、
拾いながら歩いた。
家に帰ったら、繋げてネックレスにしようと思う。
少し風が吹いてて、地面がが巻き上がる。
空気まで白くぼんやりとしていた。
あ、右足が地面に埋もれて沈み始めてる。
抜こうとしたら抜けなくて、かわりに左足も沈んでいく。
動くからだめなんじゃないかと、じっとしてみるけど、
少し動いてるらしくて、結局ずぶずぶ沈んでく。
あぁ、これはもう終わりだな。死ぬな。
もう鎖骨まで沈んでる。
あきらめたら地面が震えて、結局ずるりと助かった。
きっと吐き出された。
服は粉まみれで真っ白だ。
お気に入りの服だったのに。
でも悪くない。
さらさらの地面の中に、
たまに小さな固まりがあるのを見つけて、
拾いながら歩いた。
家に帰ったら、繋げてネックレスにしようと思う。
20110306
20110305
20110301
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