おひげの長い王様と横に並んで、
見たことのないような色の食事。
お互い同じ方向を向いて。
相手のジャマにならない様に少しあいだを空けて。
めがねをかけた灰色のスーツの人が、
転がり込むように部屋に入ってきて、
王様とわたしに媚諂う。
それで、あの、その、えへへ、
物欲しそうな目。
王様にひそひそ話で教えてもらって、
熱湯に浸かったひたひたのパンを
30cmの長いお箸で、めがねの顔に向かって投げつけた。
あちっ、あはっ、あ、ありがとうございま、う、うまひ!
熱くてまっかになった顔。
曇っためがねにはパンのかけら。
嬉しそうに貪り食う、薬指には指輪。
それを王様に告げ口して、
目の前のひたひたのパンを食べる。
ちくしょう。
やっぱりまずいぜ。
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